道青陵(会報)99号

北海道教育大学の就職状況について

平成18年度から母 校岩見沢校は、これまでの教員養成課程から「北の芸・スポ大学」として、大きく変貌を遂げてきましたが、平成26年4月にこれまでの「芸術課程」「スポー ツ教育課程」から「芸術・スポーツ文化学科」に転換いたしました。その教育内容等につきましては、これまでも広報でお知らせしましたが、新課程の卒業生の ほとんどが教員にならず、公務員や民間に就職していることから「どんな人材を育成するのか」「就職先はどんなところか」「ちゃんと就職できているのか」な どの声を頂きました。そのことを受けて、昨年5月に岩見沢市在住の公務員や民間に勤務する会員を中心にして、「公務員・民間部会」を立ち上げ、教員以外の 会員とのつながりを強化することに致しました。総会・懇親会を通して、活動を具体化しているところですが、空知支部の講演会の講師をしたり、懇親会に参加 したりしております。

さて、昨年12月8日に教育大学5校の同窓会長と教育大学長・理事等との懇談会があり、その中で教育大学の今日的な課題と共に、昨年の就職状況についての説明がありましたので、その概要についてお知らせいたします。

学長挨拶から

同窓会から教育大学に対して、教育支援基金として寄付を頂いていることや日常的に支援して頂いていることに感謝している。

教員養成課程における4年生の教員志望の意識の変化については、入学時には約90%(札幌校84%,旭川校94%,釧路校96%)だが学年が進むに連れて、4年生(採用試験受験者)では約65%(札幌校73%,旭川校62%,釧路校69%)に減少している。

教育系大学、文化系大学に対して、文部科学省からミッションの再定義が求められ、北海道教育大学としてのミッションの一つは、札幌校・旭川校・釧路校の教 員養成において、北海道の教員の占有率として、小学校80%,中学校65%の達成を目指しており、受験段階から教員養成を目的にしている大学であることを 周知する必要がある。また、推薦されて入学した者でも入学時から教員志望をしない者がおり、高校の進路担当者への指導や入学試験での面接などあり方を工夫 する必要がある。

次 に、国からの助成金が年々減額されてきており、特に、人件費の削減が大きく、平成29年度には、1億3700万円、平成30年度には9200万円赤字にな るとの見通しから、部長・課長の人員を削減して対応し、360名の定員の教員の削減はなんとか現状を維持していきたい。北海道教育大学では、質の高い教員 の育成と地域課題の解決できる人材育成というカテゴリーで、国からの運営交付金(0.8%減で配分し、一括プールして運営実績のランクによって再配分)の加算を目指している。

北海道教育大学並びに岩見沢校の就職状況等

平成29年度の北海道・札幌市教員採用選考検査現役登録状況(平成28年度)

区 分

小学校

中学校

高等学校

特別支援学校

養護教諭

北海道

67(48%)

40(27%)

13(36%)

12(80%)

10(91%)

札幌市

49(52%)

15(21%)

 

12(71%)

5(28%)

現役・既卒

502(72%)

240(56%)

197(17%)

248(25%)

108(32%)

 

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現在教員養成課程の学生定員720名のうち、卒業後数年間で75%が教員になっている。(平成29年度採用では現役での合格率は40.3%)北 教大出身者の北海道での来年度教員採用登録者の割合が小学校72%、中学校56%、特別支援学校26%であり、小・中学校とも75%以上を目指さなければ ならない。また、特別支援学校の登録者についても、免許取得者を増やしていく必要がある。そのために北海道の教員養成を目的とする大学として、力量のある 教員を育成するために、学内の指導体制・研究体制を充実していく。しかし、教員養成課程に入学しても教員になろうとする学生が年々減少する傾向にあり、公 務員や民間への就職希望者が逆に年々増加していることが課題として挙げられている。

平成28年度卒学生の就職状況(平成28年5月1日現在)

 

卒業生数

教 員

公務員

民 間

進学・留学

その他

就職率

札幌校

261

150

31

50

23

13

95.3%

旭川校

288

164

52

33

30

18

94.9%

釧路校

190

106

27

23

24

12

96.3%

函館校

316

43

50

169

28

26

93.2%

岩見沢校

185

25

24

 87

23

26

100%

平成28年度の岩見沢校の就職状況は、就職希望者(136名)については100%になっている。教員になっているものの中には、非正規(期限付き及び臨時)教員が16名おり、次年度の採用試験を受けて正規教員を目指すことになる。

北海道教育大学基金への協力のお願い

  北海道教育大学は、教師をはじめ、地域や社会で活躍する優秀な人材養成に資するため学生支援等の充実を図ることを目的として、平成18年2月に基金を創設 しました。各同窓会は、これまで500万円を寄付してきました。この基金による事業は、①育英事業、②表彰事業、③修学支援事業(経済的理由で修学困難な学生に対する支援)、④研究プロジェクト、公開講座等の開設支援事業、⑤修学環境整備事業、⑥課外活動支援事業、⑦その他基金の目的達成に必要な事業に使われます。青陵会でもこの基金を通して学生の活動を支援しています。募金の対象者は、この基金の趣旨に賛同される個人及び法人(企業、団体等)です。基本的には、個人1万円、法人10万円ですが、千円単位でもいいとのことです。詳細につきましては、大学にお問い合わせ下さい。